医療費節減

既にうがい薬単独の投与は制限されましたが、さらに湿布薬、ビタミン剤も制限されるようです。私は、これは⼤変理にかなっているし節約になると思いますね。これらの薬はドラッグストアで買いましょう︕保険で賄う財源も理由もありません。

 湿布薬、「何⽇分か」も記載2015年6⽉に閣議決定した「骨太の⽅針2015」と「規制改⾰実⾏計画」は、「市販品類似薬」の保険給付の在り⽅を⾒直すよう求めている。その対象として挙がったのが、湿布薬と脂溶性ビタミン製剤だ。

 調剤メディアスによると、湿布薬が処⽅されている処⽅せんのうち、「70枚」を超えるケースが、8.9%を占める(2015年4⽉審査分)。都道府県によって差が⼤きく、新潟県では約18%に上る⼀⽅、⼭⼝県では0%に近い。厚労省は、「レセプトにおいて処⽅された湿布薬が何⽇分に相当するかを掲載」することを提案。外⽤薬については現在、投薬全量を記載すれば、⽤法の記載は省略が可能だ。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司⽒は、「基本的には湿布薬については保険適⽤から除外すべき」との原則を述べた上で、「1回の処⽅は、70枚までという要件を設け、それが何⽇分に該当するのかをレセプトに明記すべき。さらに1回70枚を超えて処⽅する場合には、その理由を明確に記載すべき」と提案。

 ⼀⽅、⽇医副会⻑の松原謙⼆⽒が、70枚を超える場合に、何⽇分かを記載するのはあり得るとしたものの、それ以下の分については、記載に⼿間がかかるなどとし、湿布薬の使⽤制限に難⾊を⽰した。

 合成ビタミンD製剤、2012年度改定以降「急増」

 ビタミンB群製剤とビタミンC群製剤については、従来から「単なる栄養補給目的」での使⽤を認めていなかったが、2012年度改定で、全てのビタミン製剤に対象を拡⼤。改定以降、脂溶性ビタミン製剤のうち、ビタミンEとKの製剤の薬剤料は減少しているものの、ビタミンAとDの製剤については増加、特に合成ビタミンD製剤の増加が著しい。同製剤は通常、単なる栄養補給目的ではなく、骨粗鬆症等の治療に⽤いられる。

 幸野⽒は、「⾷事から摂取できる場合には、単なる栄養補給目的のビタミン製剤の使⽤は、保険給付不可とすべき」であり、ビタミン製剤を算定できる疾病名を明確にするよう提⾔。

 これに対し、松原⽒は、「治療目的で使われている場合には認めるべき。単純に脂溶性ビタミン製剤が悪いという話ではない」と述べるなど、丁寧な議論を求めた。

最近の本

五⽊寛之の⼤河の⼀滴、お勧めします。
⼈間は、皆⼤河を流れる⽔の⼀滴である。ある時はゆっくり、またある時は急流となって⼤海に注ぎ、その⽔が蒸発して天にのぼり、再び⾬となって⼤河の源に注ぐのだそうです。我々の頭上には、何か、我々⼈間ごときがジタバタしてもどうしようもない、⼤きな⼒が注いでおり、全ての⼈間は、その定められた運命から逃れることはできず、ただただ流れてゆくだけなんですね。ですから、過去や未来にとらわれて、嫌な思い出に怒ったり、起こってもいないことに不安になったりすることは全く無意味で、今を⽣きるしかないんですね、どんな状況に陥っても。

四苦

今⽇は、⼩津安⼆郎監督の「東京物語」をテレビでやっていて久しぶりに観ました。私は、⼩津の⼤ファンで全作品を観ていますけどやはりこの映画が最⾼ですね。広島の尾道から⽼夫婦が東京で働く⼦供たちに会おうと上京するのですが、⼦供達は皆それぞれの⽣活に精⼀杯で、かつ⾃⼰中⼼的で、戦死した次男の嫁(先⽇亡くなった原節⼦が演じています)だけが、優しくもてなしてくれるのです。旅⾏から戻り、⺟親は脳卒中で亡くなるのですが、⼦供達は、その葬式の場でさえ、⺟の絣の着物が欲しいとか、仕事もあるからと⽗親をほったらかしにして帰ろうとするのです。映画の最後のほうで⼀番下の娘が、他の兄弟の仕打ちに涙してこの嫁に訴えるのですが、それに対して「世の中は嫌なことばっかり、でも仕⽅ないの、みんなそうなるの」と答えさせています。それをみて、ああなるほどなあと今⽇は思えました。⼈間がオギャーと泣きながら⽣まれてくるのは、この世を⽣きることは⾟いことばかりだからなんです。この世では、⽣、病、⽼、死の、四苦に⼈間はいつも苦しめられていますよね。つまりこの世⾃体が全くの地獄なんです。我々は、それを悟った上でマイナス思考から始めることで、何とかこの⼈⽣をねじ伏せて⽣きてゆくことができるのです。地獄であることを深く認識できれば、他⼈の⼩さな親切や導きにたくさん感謝することができて、その光を頼りとして進んでゆけるのです。明⽇も地獄が待っていますように︕

診療報酬改定

診療報酬は2年ごとに改定になりますが、診療報酬とは、⼤まかに⾔えば医療費を国に求めるシステムのことで、薬に対するものと診療技術料に関するものの2つに分かれます。今回の改定では、前者を⼤幅に削り、後者を微増させるというものでした。先⽇のNHK報道で、まるでこれが医者の給与が上がるかのように報道されていて、キャスターの無知ぶりに唖然とさせられました。技術料とはいえ、おそらくごくわずかな部分への⼿当があがるだけで、初診料や再診料が上がるわけではないのです。精神科では、その他の科に⽐較して多めの診察料が設定されているのですが、皆さんもご存じの通りで、診察には実に⻑い時間を要します。ばかばかしいことに、5分の診察と30分以上の診察でわずか700円の違いしかないのです。皆さんは1-3割負担ですから70-210円の違いになります。このようなわずかな料⾦で我々精神科医は診察を強いられているわけで、当然ながら短時間、低コストの医療がまかり通ることになります。また、これらの診察料は、経験を積んだ精神科医であっても⼤学出たての研修医であっても全く同じです。⼀⾒、国⺠に安価な医療が平等に与えられているように⾒えますが、内実は安かろう悪かろうがまかり通るのです。当院では、患者さんのニーズに応じてできるだけの⼿当をしているつもりですが、患者さんも⼤きな問題がないときはできるだけ時間を短くしたり、要点をまとめてくるなどの努⼒をしていただき、お互いに譲り合い精神を発揮していただければと思います。私は、1⽇に40⼈近くの⽅の診察をしています。⼀⽇の終わりには、頭は⾖腐状態、もう誰とも話したくなくなりますね。これは外国ではありえないことです。どんなに多くても7-8⼈を1⽇でしっかり診て、精神科医の⽣活が⼗分成り⽴つのがスタンダードなのです。⽇本の精神科医は疲弊していますし、また熟練した医師であっても患者さんへ与えられる医療の質も全く低くならざるを得ないのが現状で、今後さらに改善が求められます。

スマホと睡眠

どう考えてもスマホは⼈類最悪の発明でしょうね(と私は思います)。開発する前にどうしてもう少し考えられなかったのかなあ。⼈間は、目先の利益に⾶びつくばかり、愚かで浅知恵しか働かない動物(それ以下︖)ですなあ。
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「寝室でのスマフォ」に警笛【⽶国⼩児科学会】

寝室でのスマフォ利⽤は⼦どもの睡眠に有害

 ⽶国学会短信2015年1⽉22⽇ (⽊)配信⼀般内科疾患⼩児科疾患精神科疾患⽶国⼩児科学会(AAP)は1⽉5⽇、⾃室にスマートフォンなどの「⼩さな画⾯」があるケースでは、就寝時間が遅く睡眠時間も短いとする研究を紹介した。Pediatrics誌2015年2⽉号(1⽉5⽇オンライン版公開)に掲載。

 本調査では、4-7年⽣2048⼈を対象に、就寝時刻、起床時刻、眠気と寝室にテレビやスマートフォンなどの⼩さな画⾯があるかどうかについて調査した。その結果、寝るとき近くにスマートフォンなどを置いていたり、寝室にテレビがある⼦どもは平⽇の睡眠時間が短く、スマートフォンなどの近くで寝る⼦どもの⽅が睡眠不⾜の訴えが多かった。また、TVやDVDの視聴やゲームも平⽇の睡眠不⾜や眠気に関連。睡眠環境に「画⾯」がある⼦どもは、その画⾯を⾒ている時間が⻑く、就寝時間が遅いことも分かった。

 この結果について研究者は、「⼦どもが寝室で『画⾯による』メディアに⾃由にアクセスできる環境に警鐘を鳴らすもの」と結論付けている。

武士道

「武⼠道」という書物、ご存じのとおり今から100年以上前に新渡⼾稲造によって書き上げられた本ですね。「武⼠道」では、⽂字どおり、武⼠が重視した伝統的な価値観や⾏動規範が述べられていますが、その普遍性には⼤いなるものがあり、今なお時代や国境を越えて読み継がれています。武⼠道には、それを記した特別な書物は存在しませんでした。元来は⽇本の風⼟の中で⾃然に発⽣してきた、不⽂律の「掟」であったのです。新渡⼾によってはじめて体系的にまとめられ世に知られるようになりました。新渡⼾は「武⼠道」のなかで、武⼠が重んじた価値として7つの徳目を説いていますが、最も代表的なものが、「義」「勇」「礼」の3つです。

 「義」とは、「⼈として必ず守らなければならない道」のことです。徳目の中でも武⼠によってもっとも重んじられたものです。ここで重要なのは、道を守り正義を追求することは時として理屈に合わない状況を⽣むこともある、ということです。義をなすことは、「不合理の精神」を⽣む可能性を秘めているのです。 しかし、それでもなお、義を重んじることは、⻑期的に⾒ればその⼈の徳を⾼め、他⼈から信頼され、それを通して社会に貢献することにつながるのです。

 「勇」。恐れることなく敵陣に切り込むことが、武⼠には求められていたような印象が先⾏しますが、これは間違ったとらえ⽅です。勇とは、「義を⾒てせざるは勇なきなり」という⾔葉があるように、ただ単に豪胆な⾏動をとることではなく、「義」に裏打ちされた⾏動でなければならないのです。向こう⾒ずな挑戦や後先考えない⾏動は逆に軽蔑されていました。また、勇とは、どんな困難な状況に陥っても動じない平常⼼を持てることも意味していました。

 「礼」というと「礼儀」、「マナー」など、儀式的、作法的なことを連想しがちですよね。もちろんそれも⼤切ですが、「礼」とは「相⼿の価値は世界中の何物にも勝る」という考え⽅に基づき、「他者の喜びや悲しみを⾃分のことのように感じる能⼒でもある」と述べられています。

 義、勇、礼。この三つを頭において実⾏を⼼がけるだけで、⼈の⽣き⽅はずいぶん変わってくると思いませんか。⼈と争ったり傷つけ合うこともことなく、「武⼠道」の格⾔、「最善の勝利は⾎を流さずに得た勝利である」を目指して⼰を律してゆく⼀年にしたいものですね。

なんとも

恐ろしい話じゃないですか︕

 テレビゲームは⼦どもの脳の発達に悪影響を与えると、東北⼤加齢医学研究所の研究グループが発表した。調査した⽵内光准教授(神経科学)は「ゲームに興じる時間と脳の発達の遅れは⽐例する」と警告する。

 グループは宮城県在住の5〜18歳283⼈を対象に、脳画像解析と知能検査を実施した。

 磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を調べると、テレビゲームで⻑時間遊ぶ⼦どもは、物事を認知したり記憶したりする領域の発達が遅れていた。

 快楽を感じたときに出る神経伝達物質「ドーパミン」の過剰放出により、意欲をつかさどる領域にも悪影響があった。これは覚せい剤常⽤者と同じ特徴だという。

 また、テレビゲームで遊ぶ時間が⻑ければ⻑い⼦どもほど⾔語能⼒が低く、類似する⾔葉を⾒つけたり、読み上げられた算数の⽂章題に暗算で答えたりする検査の成績が劣っていた。

 3年後に再び調査すると、テレビゲームが習慣化している⼦どもは脳の発達がさらに遅れていた。

⽜乳危険論

以前から議論がありますが、どうなんでしょうかねえ。私は、コーヒーに少し垂らすくらいしか使わなくなりましたが。医師の間でも⾒解は分かれているよです。ちなみに欧⽶ではかなり消費量が減っているようです

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 ⽜乳の摂取が体に良くないとする「⽜乳悪⽟論」が、しばしばマスコミなどに取り上げられている。2015年は、⺟親タレントが「⽜乳は有害だから⼦供に飲ませていない」とテレビで発⾔したことが、ちょっとした話題になった。⽜乳は本当にリスキーなのか、健康状態が良い⼈であっても摂取に慎重になるべき⾷品なのだろうか。

摂取慎重派
 ⽜乳の「負の⾯」を指摘する議論は、以前から繰り返されている。その根拠は、乳癌との関連や摂取によってかえって骨が弱くなるというものなど様々。研究論⽂からインターネット上の匿名情報まで簡単に目にすることができる。

 ⽐較的最近では、スウェーデンで約6万⼈の⼥性と約4万5000⼈の男性を対象にしたコホート試験の検証で、1⽇3杯以上の⽜乳摂取と死亡や骨折リスク上昇との関連が⽰唆された(『死亡と骨折リスク、⽜乳3杯摂取で増』を参照)。こうした背景から、医療従事者の間でも⽜乳を積極的に摂取してきた風潮への疑念は少なからず上がっている。

摂取奨励派
 アレルギー体質であったり、乳糖を分解できない体質であったりする⼈は⽜乳の摂取を控えるべきであることは論を待たない。だが、⽇本では⻑らく⽜乳が健康に良い⾷品の代表のように扱われ、学校教育で「⽜乳に含まれるカルシウムは骨を作る」と給⾷に⽜乳を出したり、保健指導で骨折予防策として⽜乳の摂取を奨励したりしてきた。

 ⽜乳摂取に警鐘を鳴らす悪⽟論に対し、「科学的な根拠に基づかない」と真っ向から否定する意⾒も当然ある。骨粗鬆症財団は、ホームページに設置した⼀般向け「Q&Aコーナー」で、⽜乳摂取と骨粗鬆症の関連を指摘する⾔説について「現段階では、科学的なデータに基づかない意⾒」と退けている(骨粗鬆症財団ホームページ)。また、⽜乳を飲むとカルシウム濃度が急上昇し、腎臓結⽯を⼼配する質問には「通常の摂取量であれば腎臓結⽯の原因になり得ない」との回答を⽰し、むしろ摂取を控えることによるカルシウム不⾜の⽅が問題との⾒解を⽰している。

幼児期からデジ物への依存が進んでます。

 ⽶国⼩児科学会(AAP)は11⽉2⽇、都市部で低所得家庭の幼児ほぼ全員が携帯機器を利⽤しており、4歳までに⼤半の幼児が⾃分の携帯を所有しているという調査結果を紹介した。Pediatrics誌12⽉号オンライン版に掲載。

 2013年の携帯メディア機器所有に関する研究では、所得による情報格差(デジタルディバイド︓Digital Divide)が浮き彫りになった。しかし、フィラデルフィアのマイノリティーの低所得層の親350⼈を調査した2014年後半の所有率を⾒ると、テレビが97%、タブレット83%、スマートフォン77%、ビデオ56%、コンピューター58%、インターネットアクセス59%と、急速に格差が縮まっている現状が浮き彫りになった。

 ⼩児に限ってみると、ゲームやビデオ鑑賞、アプリなどで携帯機器を毎⽇利⽤している1歳以下は44%で、2歳児になるとその割合は77%にも上昇することが判明。また、⼩児全体では97%が携帯機器を利⽤していた。⼩児の携帯機器所有率は、2歳までにテレビを上回り、4歳児では⾃分のテレビを所有している者は半数だったのに対し、⾃分の携帯機器については約4分の3が所有していることも明らかになった。

 ⼩児の携帯機器の利⽤が、認知、社会、感情の発達にどう影響するのかはほとんど知られていないため、多くの低年齢児が⾃分の携帯機器を所有している現状について、本研究著者らは危惧している。