診察予約について

当院では⼊院の判断を迫られるような緊急性の⾼い患者さんの診察も積極的に引き受けており、できるだけ患者さんのニーズに応えるべく努⼒しています。

そこでお願いなのですが、新患、再来の患者さんに関わらず、予約時間はできるだけ守るように⼼掛けてください。⼤部分の患者さんは問題ないのですが、⼀部に電話連絡すらなしに予約時間以外に突然おいでになったり(急患であれば何とか対応いたします)、すっぽかしたりする⽅がおられます。特に初診の患者さんには30分から60分の枠をお取りしてお待ちしているので⼤きな時間の無駄がでますし、お具合が悪いのに⾟抱強く待っておられる他の患者さんに⼤変迷惑となります。

当院も皆様のご要望に応えられるようにこれからも精進してまいりますが、患者さん⽅にもマナーを守った受診を切にお願い申し上げます次第です。

まつもとメンタルクリニックの現況

1.当院で治療可能な患者さん
原則として18歳以上で精神科領域で扱う疾患をお持ちの患者さんであればすべて診察、治療を⾏います。但し、⼊院ベッドはありませんので⼊院が必要な⽅には旭⼭病院他、近隣の精神科病院をご紹介いたします。他院から転院をご希望の場合は、必ず紹介状をお持ちください。

2.薬物療法
精神科の⼀般薬物療法
院⻑松本はテキサス州⽴⼤学(アメリカ)、国⽴クイーンズランド⼤学(オーストラリア)、国⽴シドニー⼤学(オーストラリア)などで11年半にわたり神経薬理学、神経⽣化学、脳科学などの研究・教育に従事し、抗精神病薬、抗うつ薬、抗そう薬、抗不安薬、睡眠薬などについて最新の知識に基づく適切な使⽤(病気にあった、副作⽤が少なく、かつ最低⽤量で最⼤限の効果を得る)に⼗分な臨床経験を持っています。

デポ剤について
総合失調症の患者さんでは、⾃分が病気であるとの認識に乏しく(病識がない)、⾃分で勝⼿にお薬を中断したり、ご家族がその管理に⼤変なご苦労を強いられているケースをよく経験します。このような場合に、⽐較的最近になって副作⽤が少なく、⼀回の注射で2〜3週間効果が持続する薬剤(デポ剤といいます)が開発されました。当院では他院に先駆けてこの治療法を導⼊し、今までに60〜70例の患者さんで良好な経過が得られております。

漢⽅薬の精神科治療への応⽤
クリニック開院前から精神科臨床の現場で漢⽅薬(エキス剤)の応⽤については考えていて、開院と同時に⻄洋薬とうまく合わせながら処⽅して、患者さんたちには⼤変喜んでももらっています。現在対応できる病態は、胃痛、胸焼け、便秘、下痢、過敏性腸症候群などの消化器症状、⽉経前緊張、⽉経困難症、更年期といったいわゆる⾎の道の障害、うつや不安気分、慢性の頭痛や肩、背中の凝り、こむらがえり、低気圧などに左右される抑うつ気分、さらには⻄洋薬の量を減らしたり、副作⽤の軽減にも役⽴っています。漢⽅薬を適切に⽤いると⻄洋薬では治らなかった症状もきれいに取れることが多く、処⽅を希望される⽅が多いようです。

3.各種の検査について
当院の⼊っているビルには、MRIやCTなどの医療機器を持ったクリニックがあり、同じビル内で可能ならその⽇のうちに検査が受けられます。脳の画像診断は、特に⽐較的⾼齢になってから精神症状が出現した場合の脳内病変の検出や、認知症の患者さんの経過を追えるので⼤変便利です。脂肪肝など⽣活習慣病のある⽅には腹部のCTで確定診断をお勧めします。たかが脂肪肝といっても、がんや肝硬変になる確率は上がりますので、定期的に検査を受けましょう。

初診時はもちろん、⻑くお薬の服⽤が必要な⽅には3か⽉から6か月に⼀度の⼀般⾎液検査を⾏います。精神科薬の安全性は⼤きく向上したとはいえ、副作⽤を慎重にモニターする必要があるからです。また、初診時には必ず甲状腺(⾸の前にある内分泌器官)の触診と甲状腺ホルモンの値を調べます。このホルモン量が低下しても増加しても精神症状、特に気分には⼤きな影響があり、その場合気分安定薬だけでは効果がないからです。このように⾝体の病気が⼀義的なもので精神症状が出ている場合がありますから、⼊念な⾝体検査が⼤変重要なのです。

4.当院スタッフ
医療事務の資格を持った精神保健福祉⼠が、様々な⾏政、福祉制度をご紹介し、病気療養の社会⾯からの援助をさせていただきます。
当院の精神科看護師は、もっとも重病の患者さんが緊急⼊院する急性期病棟身体科での経験が⻑く、適切な患者さんへの対応を⾏うことができます。
いままでの患者さんもスタッフとは⼤変打ち解けて、リラックスしてくれています。

5.⼼理業務
臨床⼼理⼠によるカウンセリング、認知機能(注意、記憶、前頭葉機能など)の評価、さらには病気によって衰えた認知機能を向上させるためのトレーニングをおこないます。

6.訪問看護
気分障害や統合失調症は、脳を犯す病気ですから様々な精神症状だけでなく⽇常⽣活を送る⾯でも⼤変な困難を伴います。クリニックの診察だけではとてもその全体像を把握して診療に役⽴てることは困難です。当院では、精神科を専門とする訪問看護ステーションとの関係を緊密に保ちながら、患者さんの⽇常⽣活、⾃⼰管理が少しでも向上するように努⼒しています。

「最後に」
いかがでしたでしょうか︖少しでも当院の活動が皆様に伝わるように書いたつもりですが、何か疑問点やお受けになりたい検査や治療法がありましたら、来院時または当院までお電話(011-756-6000)をいただければと思います。

ご家族と⼀緒に歩んでゆけるクリニックを目指したいと思いますのでご協⼒よろしくお願い申し上げます。

当院で治療可能な患者さん

原則として15歳以上、精神科、⼼療内科領域で扱う疾患をお持ちの患者さん、様々な悩み事をお持ちの⽅であればすべて診察、必要に応じて治療を⾏います。院⻑松本は英語での診療を⾏っており、多くの外国⼈患者さんも通院されています。⼊院ベッドはありませんので⼊院が必要な⽅には近隣の精神科病院(多数連携病院があります)をご紹介いたします。当院では⾝体疾患の有無についても注意を払っておりますので、そのような場合は適切な診療科、クリニックを紹介できるシステムになっています。クリニックが⼊居しているビルには脳神経外科、⽿⿐咽喉科、内科、透析、婦⼈科のクリニックがあり便利です。薬局は5階にひとつあります。また、当院は市⽴札幌病院の連携医療機関に認定されております。他院から転院をご希望の場合は、原則紹介状があると便利ですが、どうしても難しい場合はなくても対応可能な場合があります。

外国⼈の⽅の診察

当院では英語での診察を⾏っていますので、多くの外国⼈の⽅がお⾒えになります。アメリカ、カナダ、オーストラリア、アイルランド、ニュージーランド、コロンビア、ブルガリア、インドネシア、ガーナなど、東京並みのコスモポリタンぶりです。もちろん皆さん、相談内容も異なるのですが、診察中にそれぞれのお国ぶりや根本的な考え⽅の違いには驚かされますし、また⼤変勉強にもなっております。私も外国の⼤学で⻑年教鞭をとっていたので多少のことは当たり前と思っていたのですけど、やはりじっくり聞いてみると本当にその多様性があらためて分かるようになりました。異国の地に在って病気、特に精神を病むことは⼤変⾟いことです。これからも役に⽴てるよう頑張ります︕