ネット依存症

ネット依存症についてのシンポジウムに参加してきました。Facebook、LINEなどのsocial network service(SNS)、オンラインゲームなどが特に依存性が⾼く、仕事や勉強以外での使⽤が5時間以上を超えると危険性が⾼まるとのことです。成⼈に⽐較して思春期の⼦供達の⽅が圧倒的に問題のあるネット使⽤が多く、課⾦制のゲームを販売する会社のターゲットになり、タバコなどと同じようにその後も強迫的に使⽤を続けるようになるとのことでした。しかし、国際的な診断基準は未だに確⽴しておらず、⽇本などが中⼼となりWHOにも働きかけているようです。私のクリニックでも多くの若者が多⼤な時間とお⾦をネットやスマホに浪費しており、それを取り上げると家庭内暴⼒やうつ状態に陥ることをよく⾒ていました。もしかするとそのような精神状態の変化は依存症に⾒られる離脱症状かもしれません。このような⾏動に対する嗜癖は、アルコールや薬物などの化学物質に対する依存症と同⼀のものとして扱うことができ、それに関連する脳の部位(報酬系と呼ばれます)も共通であることが知られています。うつ病や発達障害などの精神疾患との合併も多いことが既に知られています。社会構造の問題も考えなければいけないとは思いますが、皆さん⼀⼈⼀⼈がこの疾患概念についてきちんとした知識を持ち、常に細⼼の注意を払って今後の動向を⾒守る必要があります。