睡眠は⼤切ですよ

良質な睡眠を7時間は確保することが、動脈硬化を予防し⼼筋梗塞や狭⼼症を予防します。みなさんももう⼀度ご⾃分の睡眠や⽣活習慣を⾒直してください。当院でも必要な⽣活指導をしていますので、睡眠の問題でお悩みの⽅は是非お尋ねください。

低質な睡眠は⼼リスクを上昇させる【⽶国⼼臓協会】
1⽇7時間の質の⾼い睡眠が最良
⽶国学会短信2015年9⽉25⽇ (⾦)配信⼀般内科疾患循環器疾患
 ⽶国⼼臓協会(AHA)は9⽉10⽇、質の低い睡眠習慣は⼼疾患のリスクを⾼めるという、「Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology」誌に掲載された研究論⽂をホームページで紹介した。

 研究では、質問票で若年および中年成⼈4万7000⼈以上に睡眠に関する質問に答えてもらい、併せて冠動脈⽯灰化スコアを⽤いて初期冠動脈病変を、また上腕-⾜関節間脈波伝播速度 (PWV) で動脈硬化の進⾏度を評価した。

 その分析の結果、睡眠時間が1⽇7時間の群と⽐較すると、1⽇5時間以下の群では多変量調整冠動脈⽯灰化スコアが50%⾼いことが分かった。睡眠時間が1⽇9時間以上の群でも1⽇7時間の群に⽐べ同スコアが70%以上⾼かった。

 また、睡眠の質が低いと回答した群では、質が⾼いと回答した群より、冠動脈⽯灰化スコアが20%以上⾼くなっていた。

 動脈硬化の進⾏度についても同様のパターンがあり、睡眠の質が低い群は1⽇7時間睡眠、または睡眠の質が⾼い群より、動脈硬化が進⾏している傾向が認められた。全体として、1⽇7時間睡眠で睡眠の質が⾼い群では⾎管障害の程度が最も少なくなっていた。

 研究者らは、適切な質と量の睡眠が⼼臓の健康維持に重要であることが⽰されたとして、「患者の⼼⾎管リスクや健康状態の評価に睡眠の質の評価が必要になるかもしれない」と述べている。

 同研究には、睡眠の時間と質を⾃⼰評価してもらったために⼼⾎管リスクが過⼩評価された可能性があるという限界がある。

善⾏を積もう︕

⼈と交わることに脅えたり、不安を感じ、それを回避してしまう社交不安障害という病気があります。当院でも多くの患者さんの治療にあたってきました。カナダの⼤学から発表された最近の研究によれば、この病気の患者さんは、親切⾏為を⾏うことによって、他⼈とリラックスして交流しやすくなるとのことです。親切な⾏為をおこなうことは、本⼈の幸福感を⾼め、世界観を肯定的に変えることが知られており、肯定感を持ちながら他⼈と関わることでより社会⽣活に適合しやすくなるとのことです。善⾏を⾏い、他⼈から感謝されることで、拒絶されることへの不安と恐れが緩和され、症状と社会⽣活の質を改善が期待できるようです。⼀⽇⼀善、⼈類みな兄弟︕、どこぞの競艇ヤクザの⾔葉のようですねえ。

良い睡眠をとるには

最近、このような質問をお受けすることが多いので少し解説しておきたいと思います。
以前に睡眠と動脈硬化の関係について書きましたが、不⼗分な睡眠はさまざまな⽣活習慣病や精神症状の悪化につながります。平均では7時間前後が必要と⾔われていますが、個⼈差が⼤きいため⽇中に疲れや眠気を感じないくらいであればよしとしましょう。絶対にこの時間以上寝ないといけないということはないですし、こだわりすぎはかえって不眠を招きます。眠れない、⽇中も疲れるという⽅に、睡眠時間だけが多すぎて睡眠の質が低下している⼈が多くみられます。1時間早く起きてみたらと提案するだけで、翌⽇から良質な睡眠に変化して気分が改善する場合も多いです。以下に睡眠の質を⾼めることを記してゆきます。
1)早起き→早寝
逆のように思われますが、早起きをしてきちんと朝の⽩⾊光を浴びた⼈には良いことがあります。⽇中の覚醒度があがるだけでなく、⼣⽅以降に睡眠誘発物質であるメラトニンが脳内で放出されて眠りにつきやすくなります。朝⽇を浴びることで、抑うつ気分が改善することもよく知られています。
2)昼寝は15時前に30分まで
適切な昼寝は推奨されます。⽇中の15分睡眠は夜の1時間分に相当しますから、午後の
performanceをあげるのにはもってこいです。できれば時間を決めて短時間の昼寝をしましょう。椅⼦の上でこっくりでも⼗分です。習慣になるとその時間に眠くなり、時間になると目覚めるようになります。
3)軽い運動をしましょう。
寝る前の2時間は運動はしないほうがよいのですが、それ以外の時間で30分程度の早歩きでよいですからやってみましょう。朝の時間に光を浴びながらするのが最も効果的ですから、通勤の途中でも⼀駅前で降りて歩くのがよいでしょう。totalで30分なので、会社の往復で各15分でもよいかと思います。仕事が終わって夜8時からジムでガシガシ運動するのは逆効果です。
4)カフェインの⼊った飲料や⾷べ物は、午後3時以降は避けるようにしましょう。
5)寝る前の2時間は、飲酒や喫煙は避けてください。寝酒で⼊眠する⼈が多いようですが、睡眠の質は⼤幅に低下してかえって疲れが蓄積してしまいますし、アルコール依存症を引き起こす原因にもなります。
6)⼊眠前の1-2時間の過ごし⽅は重要です。
できるだけPCや携帯などblue lightを発する機器は⾒ないようにしてください。夜の光は、睡眠誘発物質を⽌めてしまいます。夜にコンビニに⾏くだけ、夜間に携帯で時間を確認しただけで⼊眠できなくなる⼈もいます。部屋の照明も間接照明に切り替えましょう。お風呂に⼊って温まり、湯冷めしないうちにベッドに⾏きましょう。体から放熱が起きるときが最も⼊眠しやすくなります。湯冷めしてしまったり、シャワーだけではかえって覚醒してしまいます。寝床は寝るためだけに使い、⾳楽や本も禁⽌です。寝室の光、温度、湿度などが快適な状態になるように気を配りましょう。できれば遮光カーテンを使って、しっかり部屋を暗くしましょう。
7)寝つけないときは⼀度おきましょう。別の部屋に⾏き、間接照明下で軽い雑誌などをめくって、10分位したらまたベッドに戻るを繰り返してください。2-3度繰り返すと⾃然に寝てしまうことが多いです。起き出した時に、少しの⽜乳やおかゆを温めてお腹に⼊れると良いときもあります。⼀度温まった体からの放熱効果で寝付けます。
8)寝床に悩み事や仕事上での考えことなどは持ってゆかないことです。⼼配であればメモにでも書き出して、翌⽇に回してしまってください。
9)以前、このブログでも紹介した⾃律訓練法(不安とその対処法、の項をみてください)を、寝る前に15分くらいかけてゆっくり⾏いましょう。⼀⽇の活動がoffになり、
眠りモードに切り替わります。
10)睡眠は⽣活習慣です。また、脳に覚えさせることのできる記憶の⼀種です。上記1)-9)に気を付けながら⾃分に最もあった習慣を⾝に着けるようにしましょう。当院では睡眠・⽣活記録表を使った指導を⾏っていますので、お薬などに頼る前に是非⼀度お尋ねいただければと思います。

医師がやってる健康法

医師の不養⽣、まだまだおおいようですが、⾊々やっている⼈はやっているようです。みなさんも参考にしてください。

・瞑想。
・家族とのコミュニケーションによる⼼⾝のリフレッシュ。
・⽔を2リットル以上飲む。
・美座椅⼦、⻘汁。
・⼣⾷炭⽔化物制限。
・⿊酢を飲む。
・野菜ジュース、腸内洗浄。
・マッサージ。
・スクワット。
・ココナツオイルを採る。
・Lアルギニンを飲む、糖質制限、ランニング。
・添加物や化学調味料を避ける。
・運動、筋トレ、⼈参リンゴジュース。
・腹筋に⼒をいれた状態で過ごす。
・砂糖や⽜乳は⾷べない、飲まない。
・⽜乳を⼀切やめた。
・溜め込まず吐き出す。体にある不要物を出すことが健康維持と考えています。泣く、喋る、排せつも含む。
・昼休みを利⽤したランニング。
・抗酸化作⽤の⾼いキウイフルーツを毎朝摂取。
・免疫⼒を⾼めるヨーグルトを毎晩摂取。
・ビール酵⺟を愛⽤している。天然⾷材で栄養価が⾼いのが理由。
・武道の稽古。
・喉が痛い、あるいは痛くなりそうだな、と感じたら、それが感じられなくなるまで、朝・昼・晩と常にイソジンでうがい︕これでもう何年も風邪をひいてない。イソジンと⽔道代だけで治る。病院に通うための時間や治療費、ドラッグストアで買う風邪薬代の節約になるし、ゴホゴホして周りに迷惑をかけることもない。何より、⾃分が快適ですよ。
・ベジタブルファースト。
・ジムトレーニング。
・⾃転⾞に乗る。
・多少早めに歩くとか・・勤務中はエレベーター類を⼀切使⽤しないで怪談を使って移動しています。
・糖質制限⾷。
・⽔泳。
・バランスの良い⾷事と適度な気晴らし。
・体にいいものを⾷べる。⿂を⾷べる。有機野菜を⾷べる。コーヒーを飲む。⾖乳を飲む。無理しない。
・筋⼒トレーニング。
・なるべく階段を利⽤する。
・朝5時におきて、ジョギングして、仕事中は⽚⾜6ポンドの重りを付けています。
・ランニング、寝る前に布団の上での軽く体を動かすこと。
・週⼀回の加圧トレーニング。
・9時以降は飲⾷しないダイエット。
・⽞⽶⾷。
・ケトン⾷。
・運動を定期的にして、運動量を測定管理している。
・プチ糖質制限。
・糖尿病の⾷事療法。
・コレステロールを下げる⾖乳を飲んでいる。気休めですが。
・マインドフルネス瞑想。
・サプリメント。断⾷3⽇間。朝は⽔分のみ。
・ココナッツオイル、ω3油を積極的に摂取している。

⾼齢者のうつ病の⽅に朗報︕

私もうつ病治療でよく使⽤している抗精神病薬、エビリファイ(アリピプラゾール)の効果が、60歳以上で、かつ抗うつ薬を服⽤してもなかなか良くならないうつに⼤きな効果があることが証明されました。世界で最も権威ある臨床科学誌、ランセットに報告されています。当院でのうつ病の改善率はほぼ100%ですが、今後は⾼齢の⽅でもさらに安全に治療が可能になってゆくとおもいます。悩んでおられる⽅は、是非⼀度ご相談ください。

治療抵抗うつ、エビリファイ増強で改善
2015年10⽉9⽇(⾦)

⽂献︓Lenze EJ,et al.Efficacy, safety, and tolerability of augmentation harmacotherapy with aripiprazole for treatment-resistant depression in late life: a randomised, double-blind, placebocontrolled trial.Lancet. 2015 Sep 24. pii: S0140-6736(15)00308-6. doi: 10.1016/S0140-6736(15) 00308-6. [Epub ahead of print]

 第⼀選択抗うつ薬で寛解しなかった60歳以上のうつ病患者181⼈を対象に、アリピプラゾールによる増強療法の効果を無作為化⼆重盲検試験で検証。アリピプラゾール群はプラセボ群に⽐べ寛解達成率が⾼かった(44%対29%︔オッズ⽐2.0[95% CI, 1.1 – 3.7]、P=0.03︔治療必要数6.6⼈[95%CI, 3.5 – 81.8])。アリピプラゾールで最も⼀般的な有害事象はアカシジアだった(26%対1%)。

寝溜めは健康に悪い︕気をつけましょう。

「休⽇に寝だめ」は危険で絶対NG︕⼼筋梗塞や脳卒中の恐れ寝不⾜のほうが健康的︕

 11⽉18⽇、アメリカの学術誌「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に、「『習慣的な睡眠』を変化させると、⼼⾎管疾患や糖尿病などの⻑期的な健康問題を喚起する恐れがある」という研究結果が発表された。

 同研究では、⽶ピッツバーグ⼤学の研究グループが447⼈の健康な中年層を対象に7⽇間、健康状態と睡眠習慣や⾷⽣活を調査した。その結果、いわゆる平⽇の睡眠スケジュールを休⽇も持続している被験者は1⼈もいなかったという。被験者の約85%が休⽇は通常より遅くまで寝ており、平均44分間⻑く寝ていたようだ。

 そして、同研究によると、平⽇と休⽇の睡眠スケジュールの変化が⼤きければ⼤きいほど、代謝系の健康問題への影響が⼤きくなるという。睡眠スケジュールの違いが、⾎中脂質の増加やBMI(肥満度)の上昇、HDLコレステロール(善⽟コレステロール)の減少などと⼀致しており、この相関関係は、運動やカロリー摂取量、飲酒など、ほかの健康要因を調整した後も変わらなかったという。

 平⽇の睡眠不⾜を補うために、週末は⻑く眠る――。このような毎週の睡眠スケジュールの変化は、体内時計を狂わせることにつながり、健康問題を引き起こす恐れがある、と同研究グループは推測している。

 睡眠時間の変化が健康に及ぼす悪影響について、新潟⼤学名誉教授の岡⽥正彦⽒は以下のように語っている。

「昔から、健康の維持には『恒常性』が⼤切だといわれてきました。⼈間は、体内環境を⼀定に維持して初めて、健康が保てるようにできているということです。そして、そのためには、環境や習慣、⽇々の⽣活リズムが⼀定でなければなりません。

 最近、この恒常性の⼤切さを⽰す研究が多く⾏われています。例えば、アメリカで⾏われた調査によれば、『寒冷地』に⽣まれ育った⼈が『暑い地域』に移住する、あるいはその逆の場合、健康寿命(介護などの必要がなく、健康的に⽇常⽣活を送れる状態)が少し短くなってしまうそうです。

 また、ドイツの調査では、夏と冬で時計の針を遅らせたり進めたりする、いわゆる『夏時間(daylight saving time)』を実施している地域で、⼼筋梗塞の発⽣率が少し⾼くなっていることもわかりました。また、睡眠障害も起こりやすくなるようです」

© Business Journal 提供
●⼀番健康な睡眠時間は6時間︖

 環境やリズムが変化することによって、体内に⼤きな変化が表れるようだ。また、睡眠と健康の関係性について、岡⽥⽒⾃⾝も⼤規模な学術調査を⾏ったことがあるという。

「検査法の進歩により、今はエコー検査で簡単に動脈硬化症の判定ができるようになりました。そこで、この⽅法を使い、⼈間ドックを定期的に受診している2214⼈の協⼒を得て、睡眠時間と動脈硬化症の関係を調べたのです。

 それによって、意外な事実がわかりました。最も健康的だったのは『1⽇の睡眠が平均6時間』の⼈たちで、それ以上寝ている⼈たちは、動脈硬化症になる割合が明らかに⼤きかったのです。逆に、寝不⾜の⼈たちは意外と健康的で、動脈硬化症も少ないことがわかりました。動脈硬化症は、⼼筋梗塞や脳卒中などのもとになる状態です。したがって、それらの病気は⽣活習慣と直結していることになります。

 つまり、健康のためには睡眠や⾷事などの⽣活リズムを毎⽇⼀定に保つことが⼤切であり、たとえ休⽇でも、ダラダラ寝過ごしてはいけないということです。いわゆる『寝だめ』も、無意味どころか逆効果だったということですね」(岡⽥⽒)

 多忙なビジネスパーソンにとって、休⽇の朝ぐらいはまどろみの中で過ごしたいものだ。しかし、その誘惑を断ち切り、目が覚めたらサッと起きることこそが、健康への近道のようだ。

寝る前はブルーライトは避けましょう

20〜30代の半数以上が、就寝直前までスマートフォンなどの携帯端末を使い、そのうち約7割で不眠症の疑いがあることが味の素(東京)の調査でわかった。若者の「スマホ依存」が睡眠に影響していることを⽰しており、専門家も警鐘を鳴らす。

 今年8⽉にインターネットで調査を実施、20〜70代の男⼥計1200⼈から回答を得た。

 就寝時のスマホやタブレットの利⽤状況を聞いた質問では、412⼈(34%)が「就寝直前まで利⽤している」と回答。年代別では、20代が59%、30代が57%と半数を超えた。そのうち20〜30代の67%が、寝付きや⽇中の眠気など⼋つの質問からなる国際的な不眠尺度で「不眠症の疑い」に該当した。

 調査を監修した睡眠総合ケアクリニック代々⽊(東京)の⼤川匡⼦(まさこ)理事(睡眠精神医学)によると、端末画⾯のLEDに多く含まれるブルーライトが睡眠の妨げになるほか、興味のあるサイトを⾒続けると、脳への刺激となり、不眠につながりやすくなると考えられる。⼤川さんは「寝る約2時間前までには使⽤を控え、リラックスした状態でベッドに⼊ることが望ましい」と指摘する。

医療費節減

既にうがい薬単独の投与は制限されましたが、さらに湿布薬、ビタミン剤も制限されるようです。私は、これは⼤変理にかなっているし節約になると思いますね。これらの薬はドラッグストアで買いましょう︕保険で賄う財源も理由もありません。

 湿布薬、「何⽇分か」も記載2015年6⽉に閣議決定した「骨太の⽅針2015」と「規制改⾰実⾏計画」は、「市販品類似薬」の保険給付の在り⽅を⾒直すよう求めている。その対象として挙がったのが、湿布薬と脂溶性ビタミン製剤だ。

 調剤メディアスによると、湿布薬が処⽅されている処⽅せんのうち、「70枚」を超えるケースが、8.9%を占める(2015年4⽉審査分)。都道府県によって差が⼤きく、新潟県では約18%に上る⼀⽅、⼭⼝県では0%に近い。厚労省は、「レセプトにおいて処⽅された湿布薬が何⽇分に相当するかを掲載」することを提案。外⽤薬については現在、投薬全量を記載すれば、⽤法の記載は省略が可能だ。

 健康保険組合連合会理事の幸野庄司⽒は、「基本的には湿布薬については保険適⽤から除外すべき」との原則を述べた上で、「1回の処⽅は、70枚までという要件を設け、それが何⽇分に該当するのかをレセプトに明記すべき。さらに1回70枚を超えて処⽅する場合には、その理由を明確に記載すべき」と提案。

 ⼀⽅、⽇医副会⻑の松原謙⼆⽒が、70枚を超える場合に、何⽇分かを記載するのはあり得るとしたものの、それ以下の分については、記載に⼿間がかかるなどとし、湿布薬の使⽤制限に難⾊を⽰した。

 合成ビタミンD製剤、2012年度改定以降「急増」

 ビタミンB群製剤とビタミンC群製剤については、従来から「単なる栄養補給目的」での使⽤を認めていなかったが、2012年度改定で、全てのビタミン製剤に対象を拡⼤。改定以降、脂溶性ビタミン製剤のうち、ビタミンEとKの製剤の薬剤料は減少しているものの、ビタミンAとDの製剤については増加、特に合成ビタミンD製剤の増加が著しい。同製剤は通常、単なる栄養補給目的ではなく、骨粗鬆症等の治療に⽤いられる。

 幸野⽒は、「⾷事から摂取できる場合には、単なる栄養補給目的のビタミン製剤の使⽤は、保険給付不可とすべき」であり、ビタミン製剤を算定できる疾病名を明確にするよう提⾔。

 これに対し、松原⽒は、「治療目的で使われている場合には認めるべき。単純に脂溶性ビタミン製剤が悪いという話ではない」と述べるなど、丁寧な議論を求めた。

最近の本

五⽊寛之の⼤河の⼀滴、お勧めします。
⼈間は、皆⼤河を流れる⽔の⼀滴である。ある時はゆっくり、またある時は急流となって⼤海に注ぎ、その⽔が蒸発して天にのぼり、再び⾬となって⼤河の源に注ぐのだそうです。我々の頭上には、何か、我々⼈間ごときがジタバタしてもどうしようもない、⼤きな⼒が注いでおり、全ての⼈間は、その定められた運命から逃れることはできず、ただただ流れてゆくだけなんですね。ですから、過去や未来にとらわれて、嫌な思い出に怒ったり、起こってもいないことに不安になったりすることは全く無意味で、今を⽣きるしかないんですね、どんな状況に陥っても。

四苦

今⽇は、⼩津安⼆郎監督の「東京物語」をテレビでやっていて久しぶりに観ました。私は、⼩津の⼤ファンで全作品を観ていますけどやはりこの映画が最⾼ですね。広島の尾道から⽼夫婦が東京で働く⼦供たちに会おうと上京するのですが、⼦供達は皆それぞれの⽣活に精⼀杯で、かつ⾃⼰中⼼的で、戦死した次男の嫁(先⽇亡くなった原節⼦が演じています)だけが、優しくもてなしてくれるのです。旅⾏から戻り、⺟親は脳卒中で亡くなるのですが、⼦供達は、その葬式の場でさえ、⺟の絣の着物が欲しいとか、仕事もあるからと⽗親をほったらかしにして帰ろうとするのです。映画の最後のほうで⼀番下の娘が、他の兄弟の仕打ちに涙してこの嫁に訴えるのですが、それに対して「世の中は嫌なことばっかり、でも仕⽅ないの、みんなそうなるの」と答えさせています。それをみて、ああなるほどなあと今⽇は思えました。⼈間がオギャーと泣きながら⽣まれてくるのは、この世を⽣きることは⾟いことばかりだからなんです。この世では、⽣、病、⽼、死の、四苦に⼈間はいつも苦しめられていますよね。つまりこの世⾃体が全くの地獄なんです。我々は、それを悟った上でマイナス思考から始めることで、何とかこの⼈⽣をねじ伏せて⽣きてゆくことができるのです。地獄であることを深く認識できれば、他⼈の⼩さな親切や導きにたくさん感謝することができて、その光を頼りとして進んでゆけるのです。明⽇も地獄が待っていますように︕