最近の大和くん

王子様と呼ばれています。オヤツも口元に運んでやらないと召し上がりません。小さくちぎらないとソッポを向きます。

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精神科の診断書

医師の本業は患者さんを診察・治療したり、病気について常に勉強したりすることです。それに加えて、さらに医師を多忙にさせているのが書類書きです。特に精神科は書類仕事が膨大であり、クリニックはまだしも病院勤務の先生方の悲鳴がきこえてくるようです。

 私がクリニックで作成する書類は、診療情報提供書(紹介状)、各種の同意書などの診療に関係するもの以外に「診断書」や「証明書」の類があります。病名や治療期間などの診断証明書、生命保険関係の診断書、医療費助成制度(公費)の申請診断書、傷病手当金証明書、障害年金診断書、さらに2000年に介護保険がスタートして以来、新たに加わった書類が主治医意見書(以下、意見書)です。この書類は、患者さんが介護認定を受けるために利用されます。特に障害年金診断書や意見書には患者さんの日常生活活動、認知機能、行動・心理症状などが把握できていなければ記入できない項目が少なからずあり、また、主治医としてどのような医療、介護サービスが必要と考えるかなどを記載することも求められます。患者さんの精神症状のみならず、日常・社会生活に関する能力の判定を診察室にいながら行うことは容易なことではありませんが、正しく書かれた診断書や意見書は診療上極めて有用な資料となり、その情報に基づく治療計画は患者さんの症状の安定度、生命予後などに有意に相関することが知られています。

 残念なことに、最近の医療福祉関係予算の切り下げが影響しているせいか、病状や生活能力が以前と比較して変化がないと診断しているにも関わらず、年金などの等級を下げられるケースが目立ってきています(症状が改善していれば当然等級は下がります)。我々医師が日々真面目に診療した結果の診断書が、医療の現場を知りもしない、知ろうともしないお役人によって不当に判定されることで患者さんが不利益を被ることはあってはならないことです。納得のゆかない結果を得た場合には不服申し立ての制度もありますので利用してください。最近は、自ら自分の健康や権利を守らないと誰も助けてくれない時代になりつつあります。

自立支援医療(精神通院医療)とは

以下は厚生労働省のHPからです。5に当てはまる診断を受けた場合で、所得が一定以下であれば、4にあるように通院が必要と医師が認めて診断書を提出することで、通院負担が3割から1割に減額される制度です。他院に長期にわたって通院されていた方でもこの制度をご存知ない場合がよくみられます。当院では、適応と認められかつご希望のある方には、できるだけ早く診断書を作成し医療費の負担軽減につとめております。ご不明な点などは、当院のケースワーカーにお尋ねください。
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1 精神通院医療の概要
精神通院医療は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条に規定する統合失調症、精神作用物質による急性中毒、その他の精神疾患(てんかんを含む。)を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する病状にある者に対し、その通院医療に係る自立支援医療費の支給を行うものです。

2 実施主体
都道府県・指定都市

3 創設年度
平成18年度(旧制度は昭和40年度創設)

4 精神通院医療の範囲
精神障害及び当該精神障害に起因して生じた病態に対して病院又は診療所に入院しないで行われる医療(通院医療)です。
症状が殆ど消失している患者であっても、軽快状態を維持し、再発を予防するためになお通院治療を続ける必要がある場合も対象となります。
5 対象となる精神疾患
(1)病状性を含む器質性精神障害(F0)
(2)精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
(3)統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(F2)
(4)気分障害(F3)
(5)てんかん(G40)
(6)神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)
(7)生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(F5)
(8)成人の人格及び行動の障害(F6)
(9)精神遅滞(F7)
(10)心理的発達の障害(F8)
(11)小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F9)

※(1)~(5)は高額治療継続者(いわゆる「重度かつ継続」)の対象疾患

お酒に関すること

世の中には嗜好性物質というものが多く、かつ合法的に流通しています。アルコール、たばこ、コーヒー、清涼飲料水(カフェインの入ったもの)などがその代表的なものでしょう。日本は、アルコールに関して比較的寛容な国で、つい最近までビール、時にはウイスキーのボトルまでが自動販売機で容易に購入できた時代がありました。現在でもコンビニで年齢確認のシステムこそ確立しているとはいいますが、少なくとも私はteenagerと思しき客が年齢確認をされているのをみたことは一度もありません。また、アルコールが入った状態で多少の逸脱した行動(もちろん飲酒運転などはものすごく厳しくなりましたが)があっても、酒の上のことだからと不問にふされることも多いように思いますね。欧米でも違法性薬物とならびアルコールは大きな社会問題となっていますが、コンビニにはおいておらず、バーか酒類販売の専門店(窓に鉄格子がついている)でしか買えませんし、年齢確認もしょっちゅうされます。「酒の上のこと」ではすまずに会社を解雇された人も多く見てきました。タレントがビール一気飲みしてプハーッなんてCMは日本でしか見かけませんし、即刻中止すべきでしょう。日本では、アルコールが依存性の薬物であるという認識が乏しいように思われます。ある一定の線を超えると飲酒を自分でコントロールできなくなったり(今日は1杯で止めておこうと思っても10杯になってしまう)、飲酒渇望(飲酒できない場所でもどうしても飲酒の欲求が抑えられなくなる)など精神依存が始まり、さらに進行すると身体依存が形成され、飲酒をしないでいると手が震えたり、ひどい寝汗をかいたり、最悪の場合幻覚・妄想などがあらわれるようになります。

依存症であるか否かをまずスクリーニングすることが大切です。ここではCAGE法をご紹介します。

C(cut down);今までにお酒を止めようとしたり量を減らそうとして失敗していませんか?

A(Annoyed);自分の飲酒について他人からコメントされてイラっとしたことはありませんか?

G(Guilty);また飲酒してしまったという自分に罪悪感を抱くことはありませんか?

E(Eye opener);朝目覚めてからすぐに飲酒したことがありませんか?

以上の質問に2つ以上当てはまる人は、アルコール問題を有している可能性があります。

下のサイトに進んで、さらに詳しい自記式のテストがありますので、自分に正直になってつけてみるとよいと思います。

国立病院機構 久里浜医療センター

www.kurihama-med.jp

GDPと寿命について

20年ほど前の調査で、経済的な豊かさと平均寿命との相関を調べるため、UNDP国連開発計画の「人間開発レポート1996」からデータを引用してグラフにされた先生がおられました。横軸を国民一人あたりのGDP、縦軸を平均寿命としてあらゆる国のデータをプロットしていったのですが、国民が豊かになればなるほど平均寿命が伸びると思われたので、右肩上がりのカーブになるだろうと予測していました。ところができたグラフは、平均寿命70歳前後のところで「く」の字形に曲がる非線形のものでした。3年後にもう一度新しいデータでグラフ化してみましたが、グラフは右側にシフト(=多くの国がより豊かになった)しただけで、70歳前後で「く」の字形に曲がるのは同じでした。この時、人間の生理的な平均寿命はじつは70歳前後ではないだろうか?と思い、横軸を別な変数にしたグラフを書いてみたのですが、やはり同様でした。人間の理論的な寿命が120歳と聞いたことがありますが、ではなぜ70代で頭打ちになってしまうのでしょうか。 それには「食生活」の間違いが大きく影響して病気の発生率が高まるからと言われています。多くの病気は「小麦粉・砂糖・牛乳・ヨーグルト・サラダ油の過剰摂取」が原因と考えられます。特に「グルテン」と「糖質過剰」の生活は、最も重要な死亡原因と考えられています。残念ながら現代の人類は「炭水化物」を毎日必要以上に食べてはいけないにも関わらず、グルテンや糖質の「依存症」になってしまい、比較的軽度の病気がボディブローのように私たちの体を蝕んでゆき、最終的には「ガン・心筋梗塞・脳梗塞」の発症で健康寿命が70歳代前半に止まってしまうとのことです。 コンビニ依存から脱却し、正しい食生活を取り戻してください。

うつ病の漢方治療

うつ病には、その患者さんに合った抗うつ薬を十分量、十分な期間しっかりと使うことが大変重要です。それによって再発が防止されますし、また症状の改善を診ながら減薬、中止などの機会も伺えるようになります。最近の抗うつ薬は、副作用も少なくなり使いやすくなっていますが、ゼロとは言えませんし、また高齢の患者さんにはより注意して使用しなければなりません。そこで有効になってくるのが、当院でも頻用されている漢方薬です。その人の証に合ったものを選ぶと、漢方薬は劇的な効果を表しますし、それによってうつ病患者さんのQOL(quality of life)が一層促進されることが期待できます。東洋医学ではうつ症状の原因を気虚(気が虚すること)と表現されており、以下にリストしたような漢方薬は自律神経の調節や気を補う効果があることがわかっているため、有用であることが知られています。

●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きをよくして体力を回復させ、元気をとりもどすのを助ける。体の疲れ、食欲不振、胃弱、夏やせ、こじれて長びくカゼ、痔、あるいは病中・病後、手術後などで体力が弱っているときに用いる。
●加味帰脾湯(かみきひとう)
胃腸を丈夫にし、貧血症状を改善する。また、不安や緊張、イライラ感をしずめ、寝つきをよくする。体が弱く繊細で、貧血気味、さらに微熱や熱感をともなうときに向く。
●抑肝散(よくかんさん)
神経の高ぶりをおさえ、また、筋肉の“こわばり”や“つっぱり”をゆるめて、心と体の状態をよくする。イライラ感や不眠などの精神神経症状、あるいは、手足のふるえ、けいれん、子供の夜なき、ひきつけなどに適応する。手足の冷え、のぼせ、生理不順や生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症などに適応する。また、そのような症状をともなう更年期障害や自律神経失調、月経前緊張症などにも好適。
●加味逍遥散(かみしょうようさん)
血液循環をよくして体をあたためる一方、のぼせなど上半身の熱を冷ます。また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できる。どちらかというと女性向けで、体が虚弱で疲れやすく、イライラや不安感をともなうときに向く。

立ち上がれ、日本人!

我々は、このメッセージをもう一度よーく考えべきでしょう。ドナルド トランプなんかが大統領になったらアジアはどうなるんでしょう。一国独立を早く実現させないといけません。