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幼児期からデジ物への依存が進んでます。

 米国小児科学会(AAP)は11月2日、都市部で低所得家庭の幼児ほぼ全員が携帯機器を利用しており、4歳までに大半の幼児が自分の携帯を所有しているという調査結果を紹介した。Pediatrics誌12月号オンライン版に掲載。

 2013年の携帯メディア機器所有に関する研究では、所得による情報格差(デジタルディバイド:Digital Divide)が浮き彫りになった。しかし、フィラデルフィアのマイノリティーの低所得層の親350人を調査した2014年後半の所有率を見ると、テレビが97%、タブレット83%、スマートフォン77%、ビデオ56%、コンピューター58%、インターネットアクセス59%と、急速に格差が縮まっている現状が浮き彫りになった。

 小児に限ってみると、ゲームやビデオ鑑賞、アプリなどで携帯機器を毎日利用している1歳以下は44%で、2歳児になるとその割合は77%にも上昇することが判明。また、小児全体では97%が携帯機器を利用していた。小児の携帯機器所有率は、2歳までにテレビを上回り、4歳児では自分のテレビを所有している者は半数だったのに対し、自分の携帯機器については約4分の3が所有していることも明らかになった。

 小児の携帯機器の利用が、認知、社会、感情の発達にどう影響するのかはほとんど知られていないため、多くの低年齢児が自分の携帯機器を所有している現状について、本研究著者らは危惧している。

なんとも

恐ろしい話じゃないですか!

 テレビゲームは子どもの脳の発達に悪影響を与えると、東北大加齢医学研究所の研究グループが発表した。調査した竹内光准教授(神経科学)は「ゲームに興じる時間と脳の発達の遅れは比例する」と警告する。

 グループは宮城県在住の5~18歳283人を対象に、脳画像解析と知能検査を実施した。

 磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を調べると、テレビゲームで長時間遊ぶ子どもは、物事を認知したり記憶したりする領域の発達が遅れていた。

 快楽を感じたときに出る神経伝達物質「ドーパミン」の過剰放出により、意欲をつかさどる領域にも悪影響があった。これは覚せい剤常用者と同じ特徴だという。

 また、テレビゲームで遊ぶ時間が長ければ長い子どもほど言語能力が低く、類似する言葉を見つけたり、読み上げられた算数の文章題に暗算で答えたりする検査の成績が劣っていた。

 3年後に再び調査すると、テレビゲームが習慣化している子どもは脳の発達がさらに遅れていた。

またネット依存症の論文がでました

次々と出てきますね。英語の得意な方、是非読んでください。得意でない方もlet’s try!
ネット使用に問題のある学生を、ゲームとそれ以外の使用者に分けて比較すると、両者ともに同じくらい心理的な問題を抱えている人が多いとのことです。またゲーム使用者でなくても、それ以外のネット使用が行き過ぎると抑うつ傾向が顕著になるとのことです。今私が書いているようなブログでも依存になることもあるようです。気をつけないと!

Esther Strittmatter, Michael Kaess, Peter Parzer, Gloria Fischer, Vladimir Carli, Christina W. Hoven, Camilla Wasserman, Marco Sarchiapone, Tony Durkee, Alan Apter, Julio Bobes, Romuald Brunner, Doina Cosman, Merike Sisask, Peeter Värnik, Danuta Wasserman, Pathological Internet use among adolescents: Comparing gamers and non-gamers, Psychiatry Research, Volume 228, Issue 1, 30 July 2015, Pages 128-135, ISSN 0165-1781, http://dx.doi.org/10.1016/j.psychres.2015.04.029.
(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165178115002322)
Abstract: Abstract
“Internet gaming disorder” was recently included in Section 3 of the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-5). Non-gaming Internet activities were not considered because of a lack of evidence. This study examined whether gamers differ from non-gamers with respect to their psychological well-being among students who show pathological Internet use (PIU). This cross-sectional study was conducted within the project “Working in Europe to Stop Truancy Among Youth (WE-STAY)”. A total of 8807 European representative students from randomly selected schools were included. The Young Diagnostic Questionnaire was applied to assess PIU, and students with this condition were divided into gamers (PIU-G) and non-gamers (PIU-NG). Overall, 3.62% and 3.11% of the students were classified as having PIU-G and PIU-NG, respectively. A multinomial logistic regression revealed that students with PIU-G and those with PIU-NG showed similarly increased risks for emotional symptoms, conduct disorder, hyperactivity/inattention, self-injurious behaviors, and suicidal ideation and behaviors. Students with PIU-G were more likely to be male and have a higher risk for peer problems than those with PIU-NG. Students with PIU-NG had a higher risk of depression than those with PIU-G. The significant psychological impairment of PIU-NG suggests that it should be considered in future diagnostic criteria.
Keywords: Internet addiction; Internet gaming disorder; Psychological impairment; Adolescents; WE-STAY

LINEと依存症の記事です

MSN で見つけたおすすめの記事です: LINEはキケン!深刻な学力&集中力低下 子どもの成長妨げ、依存症を量産 http://a.msn.com/01/ja-jp/BBkKvDi?ocid=se

ネット依存症

ネット依存症についてのシンポジウムに参加してきました。Facebook、LINEなどのsocial network service(SNS)、オンラインゲームなどが特に依存性が高く、仕事や勉強以外での使用が5時間以上を超えると危険性が高まるとのことです。成人に比較して思春期の子供達の方が圧倒的に問題のあるネット使用が多く、課金制のゲームを販売する会社のターゲットになり、タバコなどと同じようにその後も強迫的に使用を続けるようになるとのことでした。しかし、国際的な診断基準は未だに確立しておらず、日本などが中心となりWHOにも働きかけているようです。私のクリニックでも多くの若者が多大な時間とお金をネットやスマホに浪費しており、それを取り上げると家庭内暴力やうつ状態に陥ることをよく見ていました。もしかするとそのような精神状態の変化は依存症に見られる離脱症状かもしれません。このような行動に対する嗜癖は、アルコールや薬物などの化学物質に対する依存症と同一のものとして扱うことができ、それに関連する脳の部位(報酬系と呼ばれます)も共通であることが知られています。うつ病や発達障害などの精神疾患との合併も多いことが既に知られています。社会構造の問題も考えなければいけないとは思いますが、皆さん一人一人がこの疾患概念についてきちんとした知識を持ち、常に細心の注意を払って今後の動向を見守る必要があります。