日別アーカイブ: 2015/12/10

こんな研究になんの意味があるのか?

癌患者の死期、1質問で6割同定【米国臨床腫瘍学会】
「サプライズクエスチョン」、癌種やステージよりも正確に同定か
米国学会短信2015年10月20日 (火)配信 一般内科疾患一般外科疾患癌
 米国臨床腫瘍学会(ASCO)は10月5日、『サプライズクエスチョン』で死期の近い癌患者を6割同定することができるとした研究を紹介した。2015年度Palliative Care in Oncology Symposiumで発表された。

 サプライズクエスチョンとは1990年に開発された簡単な予後予測ツールで、「この患者が1年以内に亡くなったら驚くか」という質問に医師が自身に問う手法。現在進行中のこの研究では、ダナファーバー癌研究所の医療関係者(腫瘍医、看護師、医師助手)76人を対象に、約5000人の患者について、サプライズクエスチョンを行った。

 その結果、約85%の患者について「驚く」、約15%の患者について「驚かない」との回答が得られた。1年後に「驚く」と回答された患者は、95%が生存していたのに対し、「驚かない」と回答された患者の生存率は62%。サプライズクエスチョンで、1年以内に亡くなる患者について死期を正しく予測できなかった割合は約40%だった。

 サプライズクエスチョンの有用性については限られたエビデンスしかなかったが、「今回の研究において、サプライズクエスチョンの使用により1年以内に死亡した患者の約60%を同定できた」と研究者は説明。さらに、癌の種類やステージなどよりも正確に、1年以内に亡くなる患者の多くを同定できる可能性が示唆されたとの考え方を示している。