月別アーカイブ: 2015年9月
善行、続きです。
善行を積もう!
人と交わることに脅えたり、不安を感じ、それを回避してしまう社交不安障害という病気があります。当院でも多くの患者さんの治療にあたってきました。カナダの大学から発表された最近の研究によれば、この病気の患者さんは、親切行為を行うことによって、他人とリラックスして交流しやすくなるとのことです。親切な行為をおこなうことは、本人の幸福感を高め、世界観を肯定的に変えることが知られており、肯定感を持ちながら他人と関わることでより社会生活に適合しやすくなるとのことです。善行を行い、他人から感謝されることで、拒絶されることへの不安と恐れが緩和され、症状と社会生活の質を改善が期待できるようです。一日一善、人類みな兄弟!、どこぞの競艇ヤクザの言葉のようですねえ。
睡眠は大切ですよ
良質な睡眠を7時間は確保することが、動脈硬化を予防し心筋梗塞や狭心症を予防します。みなさんももう一度ご自分の睡眠や生活習慣を見直してください。当院でも必要な生活指導をしていますので、睡眠の問題でお悩みの方は是非お尋ねください。
低質な睡眠は心リスクを上昇させる【米国心臓協会】
1日7時間の質の高い睡眠が最良
米国学会短信2015年9月25日 (金)配信 一般内科疾患循環器疾患
米国心臓協会(AHA)は9月10日、質の低い睡眠習慣は心疾患のリスクを高めるという、「Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology」誌に掲載された研究論文をホームページで紹介した。
研究では、質問票で若年および中年成人4万7000人以上に睡眠に関する質問に答えてもらい、併せて冠動脈石灰化スコアを用いて初期冠動脈病変を、また上腕-足関節間脈波伝播速度 (PWV) で動脈硬化の進行度を評価した。
その分析の結果、睡眠時間が1日7時間の群と比較すると、1日5時間以下の群では多変量調整冠動脈石灰化スコアが50%高いことが分かった。睡眠時間が1日9時間以上の群でも1日7時間の群に比べ同スコアが70%以上高かった。
また、睡眠の質が低いと回答した群では、質が高いと回答した群より、冠動脈石灰化スコアが20%以上高くなっていた。
動脈硬化の進行度についても同様のパターンがあり、睡眠の質が低い群は1日7時間睡眠、または睡眠の質が高い群より、動脈硬化が進行している傾向が認められた。全体として、1日7時間睡眠で睡眠の質が高い群では血管障害の程度が最も少なくなっていた。
研究者らは、適切な質と量の睡眠が心臓の健康維持に重要であることが示されたとして、「患者の心血管リスクや健康状態の評価に睡眠の質の評価が必要になるかもしれない」と述べている。
同研究には、睡眠の時間と質を自己評価してもらったために心血管リスクが過小評価された可能性があるという限界がある。
東京に来てます
私の履歴書 5
すっかりご無沙汰いたしました。ようやくこれを再開する時間がとれました。といっても冬が大嫌いな私は、夏の間は遊び倒すことに決めているので、7月、8月の週末は全て外出三昧で時間を作ることも忘れていたというわけです。9月もまだまだ残暑が厳しいことを祈るばかりです(札幌では無理・・・)。さてSAMPの中井君を輩出した、ド田舎のボロ有名中学校、腰越中学に入学したわけですよね。自宅からは、丘を2回超えて30分くらい歩いて通っていました。それでも朝から鞄持ちゲームに興じたりしながらの通学でしたので、楽しい毎日ではありました。一学年はボロといっても一応人口密度の高い神奈川県のことですから、150名位であったかと記憶しています。最初の担任は、早稲田大学を卒業したばかりのO先生、大学では山岳部に所属されており、何かというと「森の熊さん」を歌いだす純な山男でしたね。どうしても物事を斜に構えて見る癖のあった私には、全く相性が悪いものと思っていたのですが、先生はそんな私にも真正面から向き合ってその純真さをぶつけてくるので、私は照れながらもそれを受け入れざるを得ないことになりました。O先生は、社会科、歴史の先生でしたので、考古学にも詳しく、場所柄が歴史のある鎌倉でもあったことから郷土史研究会を立ち上げられ、その第一期のメンバーに私も加わったわけです。 ちなみに最近、一つ違いの弟がO先生に会い、挨拶したところ、なんども「出か?いずるなのか?」と言われて閉口したそうです(弟は守といいます)。それだけ私のことを可愛がってくれていたのですね。根暗、文系と思われがちな名前の研究会ですが、そこは山男の先生がリーダーであったこともありほとんどが鎌倉中を歩き回るフィールドワークで、卒業までには鎌倉のガイドが務まるくらい神社仏閣、史跡や名物、鎌倉時代の切通し、武将の名前などを覚えるまでになりました。この知識は、後年女の子をデートを誘うのにたいそう役に立ちました。なにしろ、日帰りコース(もち休憩あり)、一泊コースなど瞬時に構築できてしまうのですから。中学に入ってから分かったことですけど、私が小学4年時に書いた江の島・鎌倉やその周辺の光景についての作文が、私に無断!(担任の独断!!)で「かまくら子供風土記」に掲載されていたりと、やはり郷土に対する愛着が強かったのだと思います。お寺にお願いして、古仏のスケッチをしたり、鎌倉時代のやぐらや古い墓の拓本をとったり、時には他人様の畑を勝手に掘り起こして縄文土器の破片や矢じりを見つけたりし、それらは皆、私の大切な宝物となりました。一部は神奈川県立博物館に今でも展示されています。古代といえば、この頃ホメロス抒情詩の中のイリアス戦記(ギリシャと今のトルコにあったトロイ古代国家間の争い)が大好きで、名だたる名将の名前や系譜をほとんど諳んじていました。アガメムノーン、デイオゲネス、アキレウス、ヘクトル、プリアモスなどなど、その出自に至るまで今でも覚えております。父親に反抗を始め、家庭が面白くなくなってきていた時期でもあり、一種の逃避であったのかもしれません。これから始まる壮絶な私の思春期を予想させる、無気味な(?)予兆であったのでしょう。